一クラスほぼ丸ごと行方不明になるアメリカ映画
水曜日のAM2時17分、同じ小学校のクラスに通う17人の子どもたちが自主的に自宅を飛び出し、そのまま行方不明になります。
朝になり学校に登校したのは1人だけ。そんな不穏な空気からこの物語は始まる。
個人的に重要だと感じた登場人物
グラディス・リリー(演:エイミー・マディガン)
童話に登場する悪い魔女のような婆さん。超常的な力を持っている風ではなく、怪しい妖術(民間呪術)の知識を持っており、殊に原理などは不明だが、それを使えばどんな結果が訪れるかを理解し、利用しているような雰囲気がある。
魔女と言っても、「エコエコアザラク」の呪文で有名なジェラルド・ガードナーが古代の魔女信仰を復興させたといわれる現代の魔女宗(ウィッチクラフト)とは完全に術系統が異なっている。どちらかと言えば土着的な妖術(呪いレベル)を使う婆さん。
ちなみに、古賀新一の漫画『エコエコアザラク』に登場する黒井ミサは、作者が魔女宗系の魔女と錯覚しそうな描き方をしているが、実際にはその枠内に収まらない、もっと別の術体系を多用するので、彼女も魔女宗の魔女ではない。もっと強大で別系統の魔女。
深読みすると外される映画
AM2時17分、突然目を覚ました子どもたちが自宅から飛び出て、腕を“ハ”の字に開いて疾走していく。
私は最初、AM2時17分という時間設定に大きな意味があるのではないかと思って観ていたが、作品では最後までその時間設定に込められた深い意味は解説されなかった。
おかげで鑑賞後、あれは何だったんだろうと散々考えてしまった。
もしかすると、老婆の妖術は、草木も眠る不吉なウシミツ・アワー! でないと発動しないのか、とも思ったが、昼間にも普通に使っていたので、この仮説は怪しい。謎ばかりである。
さらに最後の方の子どもたちは、腕を“ハ”の字に開くあの走り方すらしていない。予測不能な展開の映画では済まされない設定の謎。いったいどうなっているんですかね、ザック・クレッガー監督?
一癖あり、そして行動に問題しかない登場人物たち
子どもが大量に行方不明になったクラス担当の女性教師、ジャスティン・ガンディ(演:ジュリア・ガーナー)は、子どもに関わりすぎて過去に問題を起こしている。
作中でも、1人だけ行方不明にならなかった少年、アレックス・リリー(演:ケイリー・クリストファー)に関わりすぎて、リリー家の敷地に不法侵入するし、子どもが消えた管理責任を保護者から問われてムシャクシャしたので、禁酒中で既婚者の友人男性(警官)に酒を飲ませて性交までする。
この女性教師、どう考えてもかなり性格に問題がある。
そして、このジャスティンの友人である警官ポール・モーガン(演:オールデン・エーレンライク)も、不審者を発見して原因はあったが、直情的にぶん殴ってしまい、問題になるのを恐れて、「俺が殴ったことは誰にも言うな。署に来てチクったりしたら殺す」とみたいなこと言って脅す始末。
なんだろう、この映画。人間の嫌な面を延々と見せつけられるホラーなんだろうか?
まとめ
この映画、128分と尺が長い。最初の方は、行方不明になった子どもたちの親が教師ジャスティンに責任を追及するシーンが続き、特に不穏な何かが起きず、結構退屈だった。
半分を過ぎたあたりから、登場人物各人の視点で時間軸が切り替わる描写が始まってから、結構面白くなる。
ラストシーンが『8時だョ!全員集合』の前半コントの終わりみたいなドタバタ感なのは、締め括りとしては面白かったが、映画としては「なんでそうなる?」と突っ込みたくなる。
日本劇場公開前から作品自体は米Amazonプライム・ビデオでレンタルできたし、海外版DVDも一応入手可能だった。今回は知人の推しだったので観た。
個人的な作品評価については、正直判断が難しい作品だが、「悪い・普通・良い」で言うと、若干良い寄りの普通くらい。映画の尺は、100分くらいで良かったんじゃないかなと思う。」
